第1回Body MRI技術研究会終了しました。東京:八重洲ホール201号室で開催しました。
参加人数はとても心配したのですが、満員御礼73名の参加でした。参加いただいた皆さまありがとうございました。
アミンの帆足さまから、「Body MRI, Body DWIに必要なソフトの紹介」ということで、ZIOSTATION2のBODY MRI技術のお話をいただきました。
まずは、Computed DWIの説明をくださいました。これはもうすでに皆さんご存知ですよね。例えばb0とb1000を撮影したとします。内挿してb500や800、外挿してb1500, 2000それに3000という画像を作り出すことができます。ADCのエラー値(負のADC値)を削除する機能を用いることでノイズを押さえたComputed DWIの画像を作り出すことが可能です。もう一つはADCヒストグラム解析です。治療前後で解析することで、治療効果判定に使うことを目的としていいます
最後はマルチステーション結合です。この画像のようにDWIBSの各ステーションをいとも簡単に結合してくれるアプリケーションです。頸部のコイルは高感度、胸部は低感度であたとしても自動で濃度調整して、結合してくれます。
RealiZeはザイオソフト社がPhyZiodynamics技術から派生したアルゴリズムを利用して、これまで培った器官の形状の認識、接近する器官の分別の技術を発展させた三次元形状認識技術です。CT値を元にしたエクステンダー、アイソレーターといった技術に、RealiZeは更に、PhyZiodynamics技術を利用して新たなアルゴリズムをこれらに加えました。つまり分離機能や抽出機能が向上したということです。
司会・進行は世話人である。東千葉メディカルセンターの坂井さんにおこなっていただきました。急な司会をお願いしたのにも関わらず、素晴らしい司会進行でした。ありがとうございました。
トップバッターはキヤノンメディカルシステムズのユーザです。「キヤノンでもいける?Direct Coronal DWIBS」ということで 草加市立病院の佐藤さんと等潤病院の松島さんがコンビ発表をしてくれました。このコンビ発表も新しい試みです。佐藤さんは1.5Tでの工夫、松島さんは3.0Tでの工夫でした。佐藤さんはファントム実験など歪に対しての撮像パラメータを調査してくれました。とても面白かったのはキヤノンでは、周波数マトリクスを変更しても歪みに全く影響がないということでした。これはサンプリング時間が同じでBWが自動的に調整されるためであることが判明しました。メーカごとで違うのでこれもBody MRI技術研究会をおこなって、よかったと思いました。佐藤さんはPIを用いず、位相方向をSIに設定しているということでした。
3.0Tは松島さんでした。SI方向を位相に設定するのは同じでした。感度MAPを撮像中心に設定することで画質が向上したということでした。またSI方向の感度領域を絞り撮像するのでステーションは5くらいになるということでした。
GEユーザは横浜南共済病院の南さんと横浜栄共済病院の高橋のコンビ発表でした。「DWIBSの脂肪抑制効果と現場の工夫」ということで発表させていただきました。南さんは25cmのファントムを作成(中性洗剤+ピーナツオイル)して脂肪抑制効果を調べました。1.5TではSTIR onlyで良い効果を得られましたが、3.0TではSTIR+SSRFで一番良い結果を得られたということでした。残存脂肪は低いADCの影響も絡んで、高い信号強度となり、それが大きくケミカルシフトをおこすということが問題です。
高橋は当院の現状と、この画像のようにケミカルシフトとなった高信号の脂肪はMIPをすると障害陰影となり画質を落とすため、VR削除などを利用して、脂肪を削除する必要がある旨を説明しました。また前述した、ZIOのマルチステーション結合を利用することで非常に簡便に画像を作成することができること、ローテータで回ってきた技師でもある程度作成できることを説明しました。
最後はシーメンスユーザで関東中央病院の増田さんが「Whole body MRI検査について」ということで発表してくれました。1.5Tと3.0Tを持っていますが3.0Tを使ってDWIBSを行っているということでした。増田さんは関東中央病院の検査概要から、PETとの比較、脂肪抑制のことなど多岐に渡って説明してくれました。SSGR+STIRの組合わせが一番良いということでした。SSGRの利用経験がないのでとても興味深い内容でした。頸部ではバリウムPadという磁場不均一補正補助具を使用しているということでした。これを用いることでSSGRも影響がないのでしょうか?とても良い工夫だと思いますPixSpaceのBD-scoreを用いて定量評価をおこなっているということでした。このソフトも治療効果判定に用いることができます。動画はここ。
フロアーから多くの質問がありました。皆さまありがとうございました。DWIBSの父、東海大学の高原太郎先生もご参加くださいました。サプライズでした。
最後に、勉強会のイノベーションであるecasebookに関してHeart Organizationの田中さんから説明がありました。勉強会が終わった後に上記の画像のように演者のスライドをアップロードして、facebookのように質問ができる。また質問を読むことができる。演者から解答が読めるサービスです。こういう機能を利用したいか?という問いかけに、4割の方が利用してみたいということでした。DWIBSのことをもっともっと現場の人間が語ろう!ということが目的なのでこのサービスを検討してみようと思います。また決まりましたら皆さまいご報告いたします。第2回は10/27(土)に首都大学東京荒川キャンパスで開催します。また東海大学 高原太郎先生が主管の第9回Body DWI研究会は8/26(日)同じく首都大学東京荒川キャンパスで開催予定です。是非こちらもご参加ください。
富士製薬さまには研究会のパンフの配布を手伝っていただきました。
GEヘルスケアジャパン・シーメンスヘルスケア・キヤノンメディカルシステムズ、そしてアミン株式会社さまと共催させていただきました。各社の皆さまありがとうございました。